フィクションとノンフィクションが混じり合って物語が進行して懐かしかった

　小説なのだが、背骨といえるほどのストーリー性やテーマ性はほとんどなく、商社の仕事のルポみたいな構成である。イラン、イラクの油田権益やサハリンの開発に関わる商社マンや官僚、エネルギー・デリバティブ・トレーダーの仕事を描く。越前の貧しい育ちから苦学して通産官僚となった傲慢な十文字一。サハリン開発に関わる商社マンの金沢明彦。金沢の兄は漁師でサハリン開発で海が汚されることを懸念しているし、妹はサハリン開発に反対する環境団体に所属している。結局、イラン油田開発はアメリカの圧力で挫折し、十文字は参院選出馬を検討している・・といったストーリー。　曰く・・・　イラン政府が外国企業と結ぶ石油開発契約はバイバックとよばれ、外国企業は全額負担で探鉱と開発を行い、生産段階に入るとそこから原油を受け取って一定の利益率で回収するスキーム。これが「日の丸油田」の実態。　アメリカのＮＧＯは、一緒に共同研究をやろう、ついては、これだけ金を出してくれ、とストレートに言ってくるところが多いが、日本のＮＧＯの人たちはもうちょっと純粋な感じがする。　ＣＮＰＣ（中国石油天然気集団公司）は、権益をもらう見返りに武器を輸出し、建設工事を請負い、中国輸出入銀行がファイナンスをつける、というのがパターン。　などなど。

黒木氏の作品は「トップレフト」「巨大投資銀行」と言った自分のフィールドの作品は非常に良くできていると思いましたが、今回、少々専門分野とは異なるエネルギー関連の著作を読むにつけ、著者の取材力の物凄さに圧倒されました。特にサハリンBプロジェクトがどういう経緯でロシア政府の干渉を受けるに至ったかについては知らない事例も多く、非常に読ませました。ただ、恐らく３つのストーリー（サハリンB、イランへの政府石油投資、CAOに関する話）が全く絡む事無く進展するため、読んでいて感情移入がしにくい。せめてストーリーが２つであればまだ読めると思うのだが…。取材力の凄さは100％認めるだけに、小説の構成をもう少し頑張って頂きたかったと言うのが実感。

この作家の小説は、「トップ・レフト」以来注目していました。ほかの方も書かれていますが、この「エネルギー」と言う小説は、ち密な取材に基づいた事実を基にした小説です。新聞、テレビのニュースでは伝えられていなかった舞台裏が書かれておりとても興味深く読むことができました。金融関係の説明もあり、楽しみながら勉強もできると言うこの作家の小説の良い特徴がとても出ています。ただ、説明に図が用いられたらもっと簡単にわかりやすく読めるのにとも思いました。その点、残念でした。（最も、分からなかったところは目を通すだけでも楽しめますが・・・）途中、間延びしている感じもありましたが、トータルで見るとお勧めな小説です。（下巻の最後に用語説明集が付いています。）

資源をめぐる攻防を2商社の視点から、2ストーリー書かれている。モデルは実在で三菱商事とトーメン（現：豊田通商）。資源ビジネスで商社がどのようにかかわっているかリアルに描かれている

この角度で鼻うがいをすると確実になかなか出てこないところに水が入ってしまう。そして何時間後にドボっと出てきたりして大変なことになる。本の内容は面白いので読む価値はあるが、鼻うがいはそんなに首をそらしてはいけないと思う。

同じ著者の『慢性免疫病の根本治療に挑む』に続いて読みました。その著作ですっかり著者のファンになって・扁桃摘出術(2012/4)・馬油の点鼻(2012/5)・鼻うがい(2012/6)・Bスポット療法(2012/7)　　など、全て実践してます。---前者がどちらかと言えば、専門家寄りの難しい内容でしたが本書は“一般の”読者が面白く読めるようにマンガやイラストもあってとても読みやすかったです。角川という大手ならではの、マーケティングが分かっている編集者の力量なのか角川というビッグネームが、著者に対して編集の発言力を持っていたのか分かりませんがどちらにせよ、前書より格段に読みやすい本づくりになってます。まだ２冊しか、著者の本を読んでませんがこちらが入門書として最適だと思います。---著者の素晴らしいところは、内科医という枠を超えて健康を願う情熱と研究熱心さだと思います。内科医なのに、このような耳鼻科の本を出すというのはかなり勇気のいることと思いますし耳鼻科医の敵を作りかねない行為かと思います。医学界で異端とされている「扁摘パルス療法」を普及させるために長年、研究を続けたり５０年も前の、すでに歴史の波に忘れ去られてしまった「Bスポット療法」の堀口先生、上咽頭の概念を提唱した山崎春三先生の理論を掘り起こし、現代の医療の観点から再評価、分析したり現在の耳鼻科医である杉田先生と情報を交換したり、している。自分の専門の枠を超え過去、そして現在の研究者とコラボレーションしようとするその姿はセクショナリズムに陥っている医学界の中で、とても貴重な存在であるし見本となる方であるように感じてます。---治療に関する個人的な感想、（途中経過）としては・馬油の点鼻は著者が言うほど不快でなく、続けられて調子がいい。→ちなみにミリオンセラーのシンガーも鼻づまり対策で馬油の点鼻をやっているそうです。・生理食塩水による鼻うがいは、ハナクリーンを使ってやってますがむしろ調子が悪くなる事が多い。→自分の粘膜がまだ弱くて鍛えられていないから？？・扁桃摘出術はやってよかった。扁桃腺が腫れる苦しみから開放されたし、まことしやかに言われている『臓器を取ると免疫力が下がる』という噂があるが、実感としては真逆で丈夫になったと感じている。・塩化亜鉛水溶液も合法的に入手できるので点鼻用の水溶液も自作することができる。それを医療の立場から本やwebで著者が公開できるかどうかはわからない。医師の監視のもと、経過を見たほうが良いが「Bスポット療法」に理解のある耳鼻科医が少ないので通院が難しい現実があるので、個人としては自作の選択肢はあったほうがいい。「Bスポット療法」の再評価がされるまで、このジレンマはしばらく続きそうだ。などです。また、経過を報告しますね。---2012/11/17追記・Bスポット療法について通院が面倒なので、著者が提案している塩化亜鉛溶液を自作して点鼻している。点鼻すると鼻の通りが良くなる。この点鼻液だが、塩化亜鉛でしみるのだが、生理食塩水の濃度に食塩を混ぜるほうがしみが軽減する。・鼻うがいに関してハナクリーンでの鼻うがい(洗浄)するのには、サーレMPという生理食塩水を作る薬包を推奨しているが、ぶっちゃけ食卓塩で問題ないと思う。たしかにサーレMPは溶けやすいしハナクリーンの容量に対し生理食塩水ぴったりできる量なので便利。ただ、分量せずに適当に食塩を入れても個人的には余り問題なかった。食塩が少ないとしみるが多い分にはそれほどしみない。現在、実験中として食塩水にアズノールうがい液を混ぜて使って洗浄している。調子はとてもいい。・扁桃摘出術半年経過して、明らかに健康に役立っていることを実感している。まず、喉が痛くならず風邪をひきにくくなっている。また、カラオケなどで喉を酷使した後も喉の不調がない。さらに、術後数ヶ月してから多くの知人友人から『顔やせた？』って聞かれることが多い。体重は余り変化していないので、顔やせで間違いない。扁桃病巣感染症で、これまでずっと顔がむくんでいたんだと思う。もっと早くやっておけばよかった、と思うくらい手術してよかったと思っている。---2013/11/28追記・扁桃摘出術　　をしたのでそれ以降ずっと風邪も引かずにいて“『喉が痛くなる』などの風邪はもうないんじゃないかなぁ”って思っていましたが違いました(笑)無理をしたり感染するとやはり喉が痛くなり風邪を引きました。ただ、以前の喉の痛みよりもずっと少なく、感覚としては痛みは1/3くらいでした。また、細菌と戦った白血球の死骸である黄色い鼻水や痰なども以前よりずっと少なくなっています。以前は黄色い鼻水や痰も多く扁桃病巣感染症で体内で最近と白血球が戦っていたんだなぁって思ってます。・Bスポット療法　（塩化亜鉛溶液の点鼻）・鼻うがい・馬油の点鼻　　なども続けており鼻の通りが良いのが当たり前になり、鼻づまりを普段あまり感じない生活を手に入れられています。特に、点鼻は毎日行う習慣にしており点眼用の空ケースをロフトで買ってきて『常に持ち歩いて、トイレで手を洗う時に点鼻する』というルールで実行してます。塩化亜鉛溶液の点鼻液を作るのは自己責任のリスクを伴いますが本書の提案する生理食塩水を作って点鼻するのは誰でも出来るかと思います。毎日続けることでBスポットが強くなり、不定愁訴の原因となる炎症も減っている（なくなっている）気がします。---2014/7/4追記扁桃腺を切って(扁桃摘出術をして）のことへの補足です。扁桃腺を切る前に調べていた所、こんな説も聞きました。『扁桃腺で病気を食い止めているので、切ってしまうともっと奥に　病原菌が行ってしまい、より重い病気になる』というもの。ガゼネタだと思って信じていなかったのですが、半分正しいです。というのも、扁桃腺を切ってから喉が腫れることはなくなりましたが代わりに、いままでほとんど罹らなかった気管支炎になりました。これまで喉が腫れるような症状だった所が、気管支炎に切り替わった感じです。『のどが痛い』という不快症状が、『せきが出る』という不快症状に置き換わった感じです。人によっては『より重い病気』に感じることもありそうです。扁桃腺（正式名は扁桃ですが）を切ったことで冷たい空気が気管支に入りやすくなったので、引き起こされたのだと思います。ただ、個人的には切ってよかったと思ってます。著者が主張している、『病巣感染』の温床が扁桃であるならそこがなくなることで、二次疾患が減り、体の負担が軽くなったと考えられるからです。私自身、現段階でリウマチなどの二次疾患があるわけではないですが二次疾患予防にはなっていると思うからです。ただしこの辺りは、手術が不可逆である以上結局は「どちらを信じるか？」ということになってしまうかと思います。個人的には、『不調であることを様子見して、手遅れになるより　リスクがあっても事前に最善を尽くす』ことを選択しました。---2016.4追記久し振りにBスポットを調べてたら1999年の慶応大の論文があったので自分の備忘も兼ねて共有しておきます。https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/42/1/42_1_50/_pdfBスポット療法は堀口先生が提唱されたのですがその時期が1960－1970年代だったのでかなり古いです。そしてこの本の著者である堀田先生などＩｇＡ腎症関連で再注目されたこともあり、資料が少ないです。なので、20年近く前には成りますが、こちらの論文も参考になるかと思います。さて、私の実践ですが・鼻うがい・馬油の点鼻・Bスポット療法(＊塩化亜鉛水溶液の点鼻)は続けてます。調子はいいです。ただ、まったくアレルギーがなくなったわけではなく埃がひどいところに行った時など、グズグズすることもあります。それから、日常の手間などで鼻うがい（ハナクリーン）は時々しかしてません。日常的にやるのにはちょっと面倒なのとやり終わった後に、鼻に残った水が、時間を置いて鼻水のようにツーッと流れたりするので外出前などは難しいです。＊なのでやるとしても夜の入浴時など馬油であっても、塩化亜鉛水溶液の点鼻であっても仰向けに寝た状態でないとBスポットにちゃんと届かない気がするので、こちらも就寝時にすることが多いです。馬油の方が、痛くないので楽ですが効き目もマイルドな印象です。痛いですが、塩化亜鉛水溶液の点鼻のほうが即効性はある気がします。

2012年に膜性腎症を発症。当時はこの本を読むのが精一杯でした。ただ、薬推しをせずに、こんな儲からない治療を推奨する先生は患者に寄り添う先生なのだろうなぁ、、。と当時から思っていました。服薬し続け３年半→完全寛解からの何年かぶりにまさかの2021年6月に再発。思い立って仙台まで行きました！やはりお会いしてよかった！通常の医者なら最低でも５年！服薬し続けるし、食事制限もすること！と診断して来ますが、先生は『蛋白さえ治まれば最短1年でもね(^^)タンパク質や塩分制限？クレアチニン悪くないし、そんなのしなくていいよ？食べる楽しみなくなるでしょ？』と患者の気持ちを軽くします。鼻うがい、eat治療と服薬を続けて4か月。まだ蛋白は徐々に減ってる段階ですが、頭痛、副鼻腔炎完治しました(^^)こちらの本と出会えたこと、感謝でしかありません。

今まで何故良くならないんだろう、とどれだけ病院に行ったことか。全てが解けた感じです。素敵な本に巡り会えました。